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2017.10.08

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クラシック界の巨匠揃い踏み!木之下晃「石を聞く肖像」

クラシック界の巨匠揃い踏み!木之下晃「石を聞く肖像」

ローラン・プティ (振付家)  1995年11月26日撮影 

写真家 木之下晃氏の作品展「石を聞く肖像」が、JCIIフォトサロン(東京・千代田区)で開催中です。木之下氏といえば、世界のクラシック音楽家から絶大な信頼を寄せられた写真家。演奏する内面を凝視した作品群で知られていて、その作品は「彼によって音楽がフィルムに刻印された」と語られるほど。
ですが、今展で展示されるのは、音楽シーンではありません。なんと、乳白色の石を手にポージングした音楽界の巨匠たち!!
「この石を見て感じたことをカメラの前で表現してください」。
木之下氏は、世界的な舞台芸術家たちに卵のような乳白色の石を渡し、自由にポーズをつけてもらって、多くの作品を撮影しました。今展は、そのポートレイト写真集『石を聞く肖像』(飛鳥新社 2009年)から、音楽家たちを中心にセレクトした写真約70点(すべてモノクロ)を展示。世界的に活躍し、様々な芸術家と交流があった木之下氏だからこそ実現した、“ひとつの小さな石を通した芸術家たちの自由で伸びやかな様子を姿”を、紹介していきます。 

 

ところで、「なぜ石を?」と思う方も多いと思いますが、木之下氏がこの写真を撮り始めたのが50代半ばのとき。フィンランド政府から2度目の撮影招聘を受け、「違う視点で撮影を」と思索する中、“天から降って来たように”目に飛び込んできたのが、約20年机上に置いていた、河原で拾ったこの石だったそう。
もともと、20代のころに出会った土門拳や林忠彦の肖像写真のようなオリジナリティあふれるポートレイトを撮りたいとの思いもあったという木之下氏。フィンランドに渡って、被写体に石を持たせて撮影に臨み、本作品の制作をスタートさせました。
それから20年以上かけ、木之下氏が撮りたいと思う芸術家一人一人に了解を得ながら撮影された肖像の数は、なんと200点を超えるとか。 

「ポートレイトは被写体に写される感動がないとだめだと気づいた。アーティストはみんなユーモアがあって、石を持っていくと自分は何をやろうかと面白がってくれる」(木之下氏) 

“とっておきのポーズを...”と小石を頭の上にのせる振付家のローラン・プティや、大のサッカーファンゆえに“フットボール選手になりたかった”とボールに見立てて足にのせる指揮者のダニエル・ハーディング。“こんな芸当もできるかな”と額にのせてバランスをとる様子の指揮者のクラウディオ・アバドなど、クラシックファンには「え?あの人も?!」と驚くような錚々たる巨匠たちのポートレイトが並びます。

ダニエル・ハーディング (指揮者)  2001年11月26日撮影

 

クラウディオ・アバド(指揮者) 1996年10月17日撮影

作品展「石を聞く肖像」の開催は、10月29日(日)まで。木之下氏20年にも及ぶ撮影作品の歴史と、そこから見える、聞こえるメッセージを堪能してくださいね。

 

木之下 晃
1936年長野県生まれ。諏訪清陵高校、日本福祉大学で学ぶ。中日新聞社を経て博報堂に入社。広告写真を撮る一方で、1960年代より、ポップスからクラシックまで幅広く音楽の撮影を開始。以来一貫して『音楽を撮る』をテーマに撮影活動を続けた。1974年にフリーとなり、次第にクラシック音楽に的を絞って、「世界の音楽家」「世界の劇場」「作曲家の足跡」「音楽家のオフステージ」「ポートレイトシリーズ~石を 聞く肖像」など、多彩な角度から音楽を記録。その写真からは「音楽が聴こえる」と、ヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタインなど、時代を代表する巨匠達からも高い評価を得ていた。フィルムでの 撮影・現像に最後までこだわり続け、生涯に撮影したフィルムは3万本に及ぶ。
1971年日本写真協会賞新人賞、1985年第36回芸術選奨文部大臣賞、2005年日本写真協会賞作家賞を 受賞、2006年紺綬褒章受章、2008年新日鉄音楽賞特別賞を受賞。 写真集は『世界の音楽家・全3巻』(小学館)『The MAESTROS』(小学館)『石を聞く肖像』(飛鳥新社)など生涯約50冊を出版。写真展の開催は約100回を数える。 2015年1月12日、死去。享年78。

 

木之下 晃 作品展「石を聞く肖像」
会期:2017年10月3日(火)~10月29日(日)
会場:JCIIフォトサロン(東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル1階)
休館日:毎週月曜日(ただし、祝日の場合は開館)
開館時間:10:00~17:00
入場料:無料

 

■詳しくはこちら
JCIIフォトサロン
http://www.jcii-cameramuseum.jp/photosalon/

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