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2017.09.24

出かける学ぶ

G7首脳も鑑賞!東京藝術大学のクローン文化財って?

G7首脳も鑑賞!東京藝術大学のクローン文化財って?

シルクロード特別企画展 『素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生』が、東京藝術大学大学美術館(東京・上野)で昨日から開催になりました。クローンときいて、「もう一人の自分?」と、クローン人間を思い浮かべた方もいるかもしれませんが、ここでいうクローンとは、本来は複製が不可能な文化財を本来の姿に甦らせ「クローン文化財」として復元すること。ヒトを対象としたモノではありません(笑)。
さらに、そんなことができるの? と思う方もいるかもしれませんが、現代の技術は凄いんです。 東京藝術大学が特許技術を開発。超高精細復元に成功し、その複製作品を実現させています。 

 

クローン文化財のみで構成される展覧会は、今展が世界初の試み。ですが、実はこのクローン文化財の一部は、2016年5月26日に行われたG7伊勢志摩サミットのサイドイベントで展示されています。

展示されたのは、「破壊されたバーミヤン東大仏天井壁画」「焼損した法隆寺金堂壁画第6号壁」の2点。「テロと文化財―テロリストによる文化財破壊・不正取引へのカウンターメッセージ」として紹介されていて、東京藝術大学大学院教授の宮廻正明氏がG7首脳へクローン文化財について解説も行っています。
宮廻教授は、千数百年以上前に描かれた人類の遺産のクローン文化財を通して、物は亡びても魂が永遠に人々の心の中に生き続け再生され継承されていく日本特異の文化伝承をアピールし、人々の英智により、テロや戦争のない平和な世界を創り出す事の尊さを、発信したそう。
今展でもG7首脳も鑑賞した「焼損した法隆寺金堂壁画第6号壁」と「破壊されたバーミヤン東大仏天井壁画」が出品されていますので、お見逃しなく! 

 

ところで、このクローン文化財の目的は、先の宮廻教授がG7首脳に述べているように、学術的に信憑性・妥当性の高い複製や復元を行う事ではなく、文化そのものを継承し、新たな感動を生み出すこと。クローン文化財の製作は、復元した文化財が見る人にどう映るか、どう感動してもらえるか、を大切に制作が進められているそうです。
その製作経過は、実に繊細緻密。オリジナルの精細な画像データを取得し、三次元計測や科学分析を行い、忠実に再現していきます。 コピーやレプリカと訳されるような単なる複製品ではなく、オリジナルと同素材、同質感かつ、技法、素材、 文化的背景など、芸術のDNAに至るまでを再現する、まさしく“文化財のクローン”なのです。 

 

こちらは2001年に破壊されたアフガニスタン・バーミヤン東大仏天井に描かれていた壁画「天翔る太陽神」を復元したもの。現在のバーミヤンの風景が広がる臨場空間を体験できます。

「バーミヤン東大仏天井壁画 」(破壊前復元)

「バーミヤン東大仏天井壁画」の復元作業

「バーミヤン東大仏仏龕天井壁画」
2016年東京藝術大学COI拠点による想定復元図

「バーミヤン東大仏仏龕天井壁画 」
1970年代に撮影された写真を元に制作した復元図

 

今展は数あるクローン文化財のうち、シルクロードにスポットを当てた展覧会。古代シルクロードの 各地で花開いた文化を代表する遺産を蘇らせたクローン文化財が多く展示されます。このほか、生涯にわたりシルクロードを歩き、撮り続けた並河萬里氏の写真や、国々の絵画・彫刻作品も展示し、シルクロードから奈良に至るまでの美術の変遷も紹介されます。 

こちらは展示されるクローン文化財の一部

日本・法隆寺金堂壁画 (焼損前復元)
1949年に焼損した金堂壁画12面を同素材、同質感で焼損前の状態まで復元し、堂内空間を再現。

新疆ウイグル自治区・キジル石窟航海者窟壁画 (復元)
キジルで最も美しい壁画窟といわれたキジル石窟第212 窟(航海者窟)。ドイツ探検隊による国外流出や第二次大戦によって消失した箇所を復元しています。

日本・法隆寺釈迦三尊像 (再現)
法隆寺のご本尊・国宝釈迦三尊像を3D計測や3Dプリンターの技術を用いて金銅仏として再現。さらに、欠落した螺髪や白毫の復元、左右脇侍の配置転換、大光背周縁に存在したと想定される飛天を復元し、音や映像を通して堂内に漂う飛鳥の気配や香りが感じられる空間が再現されています。 

展示品の中には触れるものも!

かつてアフガニスタンから流出していた壁画断片のクローン文化財。
質感や重さを展覧会場で存分に味わうことができます。

 

今展のタイトル「素心伝心」とは、それぞれの民族によって養い育てられた芸術形象の傑作を並置し、それぞれの素心を知り、互いに心を伝え合い、心を通じ合うことによって平和を育む一歩としたいという願いが込められているそう。
東京藝術大学 創立130周年スペシャルプログラムの一環として開催される今展。技術の進歩によって甦った文化財が、現代の人々に伝えてくれるものとは? クローン文化財をとおして、今のくらしや世界情勢について考えてみる機会になりそうですね。 

 

シルクロード特別企画展「素心伝心 ―クローン文化財 失われた刻の再生」
会場:東京藝術大学大学美術館3F(東京都台東区上野公園12-8)
開催期間:2017年9月23日(土)~10月26日(木)
開館時間:午前10時~午後5時 (金曜日は午後8時まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:月曜日 ※10月9日(月)は開館
入場料:一般1000円ほか
お問い合わせ:ハローダイヤル 03-5777-8600 

 

■詳しくはこちら
東京藝大 クローン文化財展
http://sosin-densin.com

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