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2017.04.01

学ぶ

「孤独を楽しむ人」ドミニック・ローホー

「孤独を楽しむ人」ドミニック・ローホー

「煩わしい義理だけの付き合いを『断る』。
エネルギーが奪われるだけの友達からの誘いを『断る』。
『NO』を言えるおとなこそ、自由で魅力的なんです」と、世界中にファンを持つ、フランス人著述家で人気ミニマリストのドミニック・ローホーさん。
NOの価値、ひとりで立つことの意味は、どこにあるのだろう。


私はひとりが好きです。散歩も旅行もひとりでする。孤独を味わいたいとき、寺へ行くのはおすすめです。京都の紫野大徳寺にある瑞峯院(ずいほういん)の、素晴らしい枯山水と対峙(たいじ)してみてください。小石で表した荒波の中に、立っている石と寝ている石があり、これは安定とバランスを表しています。非常にためになる教えです。たとえば友人と会うなどして、外から入ってくる刺激や楽しみは一瞬の喜びにはなりますが、心に安定をもたらしてくれるものではありません。

京都・紫野大徳寺 瑞峯院

私たちに大事なのは、安定した揺るぎのない"自分"という土台を持つこと。そこがエネルギーの源となる。安定を得るためには周囲に振りまわされず、ひとりで過ごし、考える時間が必須です。私の大好きな瑞峯院だけでなく、教会やホテルのバーなど、エネルギーを満たしてくれる静かな場所は、あなたの身近にもあるはずです。

 

エネルギー= 命。

エネルギーを蓄えるために

孤独の時間が必要なのです

 

孤独をエンジョイできないと、何かのクラブに入ったり、女子会をしたり、“みんな” と一緒に過ごすことになる。それが本当に楽しいのか、自分のためになっているのか考えてみてください。孤独を味わうためにはレッスンが必要です。たとえば、知らない人に話しかけてみる。これは孤独だからこそ、できること。私はよくそれをします。ある日は昔ながらの佇まいを保ち、すっきりと片づいた京都の履物屋さんに立ち寄り、80代の女主人と話しました。「すごくきれいにされていますね」の一言から、ほどよい距離感のある会話を楽しめる。「この先に昔、梶井基次郎の『檸檬』のモデルになった果物屋さんがありましてね」なんていう情報をもらえたりする。“みんな”と一緒では持ち得ない、自由で満ち足りた時間です。

 

孤独を味わうレッスンをしましょう。

たとえば知らない人に話しかけてみる。

それは孤独を楽しむ人にこそ、

できることです

 

 

■Profile
ドミニック・ローホー
著述家。フランスに生まれ、ソルボンヌ大学で修士号を取得。イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭をとる。禅の修行などを通して日本の精神文化への理解を深め、シンプルな暮らしを提案。『シンプルに生きる』(幻冬舎)、『シンプルだから、贅沢』(講談社)など累計250万部のベストセラーを持つ。

『「限りなく少なく」豊かに生きる』ドミニック・ローホー 著、原 秋子 訳(講談社 ¥1200)

 

 

『おとなスタイル』Vol.6 2017冬号より
撮影/大河内禎 取材・文/白江亜古

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