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2017.03.19

学ぶ健康

産婦人科医が経験し選んだ“更年期”の治療法

産婦人科医が経験し選んだ“更年期”の治療法

更年期って、どんな変化が起こるの? これからどうなるの? という疑問や不安は多くの方が抱えているかと思います。
治療や相談にのってくれる医師もまた更年期を経験しています。今回は、産婦人科医の対馬ルリ子先生に、どんな治療法を選んだのかを伺いました。

 

仕事を頑張った40代を過ぎ50代で突然入院。

更年期に無理は禁物と痛感しました。

 

「更年期って楽しいですよ。女性ホルモンのお守りがなくなってしんどくなる分、からだや生き方を見つめ直すいい機会になります。どうしたらもっと快適に過ごせるか、健康度を上げていけるか。これまでの経験を生かして生活を工夫したり治療法を選んだり。知識や健康スキルがどんどん上がっていくことに、ワクワクします」
こう語るのは、対馬ルリ子さん。

20~40代は、産婦人科医として、2人の娘の母親として、全力疾走の日々だったそう。
「40代は体調もメンタルも安定していて、仕事を目一杯頑張れました。ずっとOC(低用量ピル)※1を服用してきたことが大きいかもしれません」
体調がいい、月経のコントロールもしやすい。働く女性として、ピルの便利さは手放せないと感じていたとか。
「ピル使用中は、休薬期に少量の出血(生理)があるので、閉経時期がはっきりしないんです。ただ、51歳ぐらいになると肌の乾燥が気になり出し、気分が落ち込むような感覚があって、いよいよ閉経かなと判断しましたね」
相変わらず仕事は順調。取材や講演の依頼もどんどん引き受けていた対馬さん。ここではじめて大病に襲われます。自己免疫疾患のひとつで全身の皮膚に膿疱が出る病気。1ヵ月の入院を余儀なくされ、診察はもちろん20もの講演をキャンセルすることに。

「ホルモンが減ると、自己免疫の異常が出ることはよく知られています。気持ちの面ではまだやれると思っていたけれど、からだはついてこられなくなっていました。倒れる前に、ギアチェンジが必要だったと痛感しました

これ以降は、やりたいことに優先順位をつけ、快適な環境をつくるように意識が向くようになったとか。
「しんどいと感じたら無理をしてまでやらないこと。患者さんにも、更年期に入ったら隙間をあける工夫をと話します。仕事は1人で頑張るのではなく仲間と進めていく。ありがとうという気持ちでね。ただ、女性の健康や活力のベースに女性ホルモンがあるという意識は変わりません。53歳からはOCからホルモン補充療法(HRT)※2に切り替え、続けています。60代、70代になっても少しずつ継続するつもりです」

対馬さんは、更年期をきっかけに、からだ全体を見直してほしい、とも。
「エストロゲンは全身に作用するので、脳、口、骨といろいろなところが弱くなります。私は今、30年ぶりに歯科医院に通っています。闇雲に健康を考えるのではなく、年齢に合わせてのメンテナンスを考えることが大事ですね」

 

【biography】

44 歳 女性のための総合医療を提供するクリニックを銀座に開業。大きな病気をすることもなく楽しく忙しく働く

51 歳 ほぼ休みなしで働き続けた結果、劇症型プソリアシス(膿疱性乾癬)を発症し、1ヵ月入院

53 歳 ホルモン補充療法(HRT)への切り替えを検討。低用量ピル(OC)とHRTをいったりきたり。

55 歳 30年ぶりに歯の調子が悪化、歯の治療とメンテナンスを始める

58 歳 HRTを継続中

 

仕事を頑張った40代を過ぎ50代で突然入院。

更年期に無理は禁物と痛感しました。

 

①OC(低用量ピル)
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を配合した女性ホルモンの薬。避妊をはじめ、月経痛やPMSの症状緩和、体調やメンタル面の安定などの効果が期待できる。HRTで使用するものよりも3~5倍ほど多くエストロゲンを含む。

②ホルモン補充療法(HRT)
更年期症状や更年期障害の緩和・改善治療のために、閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を少量補充する療法。飲み薬や貼り薬、塗り薬などがある。

 

■Profile
対馬ルリ子さん
女性ライフクリニック銀座 院長 産婦人科医師 医学博士
専門は周産期学、ウィメンズヘルス。診療のほか、女性の生涯にわたる健康のために全国の女性医師や医療従事者と連携し、情報提供や啓発活動を行う。

 

 

『おとなスタイル』Vol.6 2017冬号より
イラスト/村田善子 取材・文/及川夕子 構成/伊藤まなび

 

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