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ブログ

2017.03.19

学ぶ健康

すれ違う、母の想い、息子の想い 山本登さんの場合その6

すれ違う、母の想い、息子の想い 山本登さんの場合その6

登さんの長男さんと次男さんが、2人揃ってサービス担当者会議に参加してくれました。
私たちは、
「寝たきりにしない、させない」
という、介護方針に基づいて、重度の登さんであっても、
ベッドに寝たまま食べるようなことがないために、食事の時はみなさんと一緒にフロアの食堂で、過ごしていただくこと。
できるだけ起きていただくために、車イスを登さんの血圧に合わせて、角度をその都度変更し、食べていただいていること。
入浴も、普通のお風呂で、座った姿勢で入っていただいていること。
排泄も、最低でも1日1回はトイレに座って、排便をすすめていること。
などを、説明しました。
今まで、関わりの少なかった長男さんではありますが、会議の初めは、登さんの奥さんである春子さんとそっくりな表情で、
「どんなに重度になっても、寝たきりは嫌です」
「みなさんの介護方針はとても大切だと思っています」
「今まで通りの介護を希望します」
と、私たちの介護を、お母さんの春子さんと同じように支持してくれました。
そして、最近の様子として、食事の状況を詳しく報告しました。

私たちなりに、かなり工夫して、丁寧に食事介助を継続してきたこと。
それでもだんだん、登さんの食事量が減ってきたこと。
日中でも、眼を閉じて、眠っている時間が長くなってきたこと。
これ以上、口から食べることをすすめるのは、登さんにとっては、無理強いになるのではないか、ということを報告し、
「今後は、食事としては少ないけれど、登さんの食べられるだけにして、登さんの様子を見守っていきたい」
私たちの想いを伝えました。
「これで、よろしいですか?」
と、うかがうと、今まで母の春子さんと一緒に、サービス担当者会議に参加してきた次男さんは、
「そうですね」
と、短い言葉で、
「そうです。それでいいですよ」
という、同意をしてくれました。
すると、長男さんが、
「食事の量が少なくなったなら、チューブを入れればいいじゃないですか」
「父には、チューブで栄養を入れてやってください」
と、言われました。

私たちは、驚きました。
お母さんそっくりな顔の長男さんが、そのお母さんと全然違うことを発言されたからです。

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著者プロフィール

髙口光子さん

髙口光子さん

介護老人保健施設「星のしずく」看介護部長・理学療法士・介護支援専門員・介護福祉士
病院・特別養護老人ホームほかで延べ30年の経験。「介護の現場」から等身大の発言・提案で介護アドバイザーとして講演・著書多数。

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