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2017.02.02

出かける

【赤澤かおり】2年半にわたり、取材、編集してきた介護と新しい病院のかたちが一冊の本になりました。

 【赤澤かおり】2年半にわたり、取材、編集してきた介護と新しい病院のかたちが一冊の本になりました。

京都で”モーネ”という名のものづくりのワークショップと、ギャラリーを主宰している井上由季子さんとご主人。お二人は、共に京都市立芸術大学を卒業後、それぞれにデザインの仕事をなさったのち、現在のような形でものづくりの工房を主宰しているご夫婦です。ときどき、いくつかの美大で講師もなさっているお二人。80代後半になるご主人のお母様と同居しつつ、70代後半になる実家のご両親の介護をすることになったのは、由季子さんのお母様が倒れられてからのことでした。

そこから由季子さんは銀行でお金をおろすこともしなかったお母様頼みのお父様に、家のことを共有していく他、お父様が好きな魚釣りから連想して魚の形に新聞や広告紙を切ってノートに貼り付ける楽しみを教えていきます。仕事一筋、家のことはまったく、だったお父様が変化していく過程、ご自身とご主人とが続けてきた家族とのやり取りの工夫、車椅子生活を余儀なくされたお母様と向き合う日々、ヘルパーさんたちとの心温まるやり取りと感謝、病院内での出来事。この本には7年以上にも及ぶ、実際におこなってきた工夫が綴られています。決して苦労話しではなく、ほとんどの人たちがいずれやってくるだろうことに対して、できることを考えてみた、まさにタイトル通りの本です。

ご両親の介護ともうひとつ、ひょんなことから香川にできた国立病院内のアートを手伝うことになった井上夫妻の細やかな気づきもこの本には綴られています。それを牽引していったのは、数々の病院のアートを内面から支えてきたホスピタルアートディレクターの森合音さん。彼女とのやり取りや、病気で苦しむ人がいる家族との対話など、今、自分たちにできることを考え、実行する助けとなる話もまとめられています。私は、編集をお手伝いする他、ホスピタルアートディレクターである森合音さんのインタビューを担当させていただくことができました。そこで考えさせられたことは数え切れないほどでしたが、何度も繰り返し思ったのは“できることからやっていこう”ということ。少しでも、できることをし続けていくことで、必ず変わっていくことを教えてもらいました。

2年半という月日を経て生まれた本、『大切な人が病気になったとき、何ができるか考えてみました』(筑摩書房)の出版記念展が、2月12日から京都 二条城近くのモーネ工房のギャラリーにて催されます。初春の京都に旅される予定の方、お近くの方、ぜひお立ち寄りいただければと思います。

 

● 展示
2017年2月12日(日)〜19日(日) 12:00〜17:00
* 期間中は休みなし

● galleri manens kompis
京都市上京区堀川通丸太町下ル下堀川町154-1 エーワンテックビル3F
☎︎075-821-3477
*市営地下鉄東西線「二条城前」駅から徒歩5分または、京都駅から市バス9系統「二条城前」

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著者プロフィール

赤澤かおりさん

赤澤かおりさん

フリーライター+フリー編集者
出版社にて雑誌編集を経てフリーに。料理と旅、暮らしまわりのことを中心に執筆・編集をおこなう。ハワイをこよなく愛し、ハワイにまつわる著書を多数出版。近著に『鎌倉 のんで、たべる。』(朝日新聞出版社)、『Hawaii Vacation Book』(講談社)などがある。
【Instagram】https://www.instagram.com/akalohasunny/
【Twitter】https://twitter.com/kaorimasaaka

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